2017年9月22日金曜日

モンゴルにおける調停制度 月刊誌「JCAジャーナル」2017年9月号

月刊誌「JCAジャーナル」2017年9月号に、モンゴルの調停制度に関する論文が掲載されています。ご関心のある方はご覧ください。



2017年9月19日火曜日

スフさんのこと

バータルスフさんが亡くなったときいた。ぼくらはスフさんと呼んでいた。

スフさんは、ちょっと困ったおじいさんで、酒を飲んで「金をくれ」と電話してくる。
「二度と電話してくるな!」と言って喧嘩になった。
年金暮らしでお金が必要だというので、時々翻訳の仕事を回してやってもらっていた。翻訳はちょっと古くさい日本語だがきちんとしている。酒を飲んでないときの仕事ぶりは、結構きっちりしている。ロシア語と日本語が上手で、かつて外務省に勤務していた。日本やイギリスで勤務していたこともある。外交官というとエリートだが、そんな仕事も、酒のせいで失ったと言っていた。酒以外の楽しみは釣りで、この前釣りに行ったとか、日本の釣り道具はいいとかいう話をよくしていた。

正直、スフさんのことは、ここ数年、忘れていた。かつてのようにオフィスにスフさんが仕事がないかと訪ねてくることもなくなったし、翻訳の仕事も、頼みやすい若い人にやってもらうようになっていた。
久しぶりにスフさんのことを聞いたと思ったら、それが訃報だった。今年はじめのことだ。冬にスフさんが釣りに行って、夜ゲルに泊まったのだが、ウォッカを飲んで泥酔し、小便かなにかで外に出て行き、そのまま帰ってこなかった。翌朝、ゲルの近くで硬くなったスフさんが発見された。道に迷い寝てしまったらしい。
酒に酔って水面に映る月を捉えようとして船から落ち溺死したという李白の最後に似ていなくもない。

年齢を意識する

 高校の同窓会の案内が届いた。卒業後30年以上経ってはじめての同窓会である。同級生は皆50歳を超えている。生憎、所用で参加できないのだが、いまだに14歳のときから考えていることはほとんどおんなじで年齢を意識することなどほとんどないぼくも、ああ、おじいさんになったのかとしみじみする...