2014年9月23日火曜日

ガスパン遊び

モンゴルのニュースを見ていると次のような記事がありました。


「チンゲルテイ区で、16歳から19歳の少年が、カセットコンロのガスを吸っているとの通報があり、警察が出動した」
以前には死亡事故もあったようです。


私は知らなかったのですが、日本では「ガスパン遊び」と呼ばれており1990年代から広まり始めたとのこと。ガスの吸引によって酸欠状態になり酩酊状態になるそうです。薬物としての習慣性はないが、爆発や窒息死の危険があるとのこと。


シンナーについても、ボンドなどを吸う人がいるとのことで、このあたりの少年の非行というのは日本とそっくりです。

2014年9月18日木曜日

物価上昇の実感

モンゴルでは物価が上昇していると言われます。
確かに、最近スーパーマーケットで少し多めに食料などを購入した場合、すぐに5万MNTとかいう値段になってしまいます。ちょっと買っただけでも2万MNT。昼食などもちょっとましなものを食べると1万MNTを超えてしまいます。
私が2010年にモンゴルにきたときには、もうちょっとMNTに使い出があったような気がしますが最近は財布にお金を入れてもすぐなくなる・・・


JETROが発表している「モンゴル経済概況(2014年7月)」によれば、今年6 月の消費者物価指数は前年同月比 14.6ポイント(前月比 0.5 ポイント)上昇したとのことです。小さいものだけでなく、大きな買い物、たとえば不動産価格も、ウランバートル市中心部のアパート価格は前年同期比 31.6%上昇しているようです。新しいアパートのほうが上昇率が高いとのこと。


こういったデータを見ると、なるほど実感と合っています。
買い物をするときには悲しい。
しかし、逆に、ドルを両替したときには、この実感は喜びとして感じられます。今日両替したレートが18.4程度。たとえば、500ドル両替すれば90万MNTちょっとになります。急激にMNT安が進んでいることから、かつての1.5倍のMNTが買えるという感じでしょうか。
モンゴルは、国内で生産できる物品は(肉や羊毛をのぞき)ほとんどなく輸入に依存する国ですから、MNT安によって物価上昇するのはまあ当然なわけです。たとえば比較的安定しているユーロなどでモンゴルの物価を換算すると、実はほとんど上昇していないといったことがわかりますし、むしろ、価格が為替相場の低下に追いついていない例も目についてきます(通信料など)。
以前、料金表示をMNTで行わなければならない法律のことを書きましたが、この法律などはモンゴルの物価安定化に密かに役立っているように思います。豆知識として、社会主義時代のMNTはソ連邦のルーブルと等価(固定相場)だったとのこと。そんな時代もあったんですね。

2014年9月17日水曜日

テレビ番組の収録

先週、テレビ番組の撮影がありました。3月にインタビュー番組に出演して依頼ですので、約6ヶ月ぶり。少し緊張してしまいました。


モンゴルにきてからニューズなどを入れると数え切れないほどテレビ番組に出演させていただきました。たまたま自分のやっている仕事がモンゴルの司法改革に関連するものだったことから、出演の機会も多かったわけですが、日本ではテレビ・ラジオなど出たこともなく、初めの頃はかなり緊張しました。何度も出ているうちに、今では特にカメラを意識せずしゃべることができるようになりました。モンゴルのテレビ業界についても日本と比較すればいろいろと興味深いものがあるのだと思いますが、私は日本のテレビを知りませんので、違和感もなくこんなものかという感じで出演させていただいています。テレビに関連する法制度としては、昨年、モンゴルのマスコミ法を改正する動きがあり、一部資料収集などに協力させていただき、意見も申し上げました(内容はあえて伏せます)。


今回収録した番組は今月末に放映されるそうです。自分の出演した番組を見ることは、恥ずかしさもあって1、2度しかありませんし、家族も私の出演などには関心がないので見てくれることもないのですが、時々、あまり知らない人からも「テレビ見たよ」と言われることもあるので、一応、言いっぱなしでなく、きちんとした話をしているつもりです。

2014年9月13日土曜日

法学部カリキュラムの作成

現在、モンゴルの法学部カリキュラムの作成をしています。今日も、国立大学、オトゴンテンゲル大学、国立法律研究所の学部長、学者、研究員らと打ち合わせをしました。


学部3年生以降の法律選択科目である「ADR」の2単位の授業ですが、これまで、モンゴルでは、「仲裁法」以外のADRに関する大学単位は認定されていなかったことから、全く新しい取り組みといえるでしょう。


「標準カリキュラム」と「DVD付き標準テキスト」の作成を予定しており、各大学は、この標準カリキュラムと標準テキストを利用すればすぐに講義を開講することができる仕組みになっており、すでに、モンゴル国立大学とオトゴンテンゲル大学の法学部での採用が内定しています。


詳細な講義計画案がほぼ完成したことから、後は、これにあわせてテキストを分担執筆し、DVDの撮影を行う予定です。年内の完成を目指しています。こういった形として残せるものでモンゴルでの法教育に携わらせていただけるのはとてもうれしいことです。

2014年9月12日金曜日

セミナー講演(モンゴルビジネス商談会)

2014年9月12日、「第3回 ちばぎんビジネスマッチング商談会inウランバートル」に参加される企業・経営者の方に対して、モンゴルの訴訟事情についての講演を行いました。


最近のモンゴル訴訟事情についてはこのブログでも書いているところですが、モンゴルビジネスにおける契約書等の書類の重要性と、契約書のバックにある規制や制度の重要性に気付いていただければ幸いです。


約50人の参加者の方に向けてお話させていただき、名刺交換もさせていただきました。すでにモンゴルに進出していたり、モンゴル進出について具体的計画をお持ちの方も多く参加されており、今後どのような知識が求められているのか、私にとっても非常に参考になりました。

祝!モンゴル法曹協会創立1周年

2014年9月5日、モンゴル法曹協会(MONGOLIAN BAR ASSOCIATION)の創立1周年記念セミナーに参加しました。ブルースカイホテルという最高級ホテルの会議場を借りてのセミナーでしたが、参加者は招待客の外国人関係者が20人ほど、モンゴル人関係者が50-60人ほどという少数限定のセミナーでした。


モンゴル側からは、法曹協会会長のほか、法務大臣、弁護士会会長らが参加。外国からはモンゴルに拠点があるアメリカ、ドイツなどの各国支援機関の代表やなんとカリフォルニア州弁護士会の元会長も参加していました。
モンゴル法曹協会のロゴ

私はその日時間に余裕があったので、午前と午後の全プログラムに参加しました。外国人で最後まで参加したのはカリフォルニア弁護士会元会長と私だけでしたが、われわれ2人の外国人ために英語の同時通訳が使われており、贅沢すぎるのですが、なんだか申し訳なくも思いながら、午後のセミナーに参加しました(しかも、私はその英語の同時通訳もほとんど理解できていないという体たらくです!)。


終了後「最後まで参加していただいてありがとうと」主催者にお礼を言わました。にぎやかしとしてでも役立って幸いでした。

2014年9月9日火曜日

ウランバートル市民の家計

ウランバートルの「National Life」生命保険会社から発表された「UBの家庭経済状況レポート」を紹介します。UBの1500世帯の調査です。

●一世帯の平均月収は1,500,000MNT。平均の月額貯蓄額は80,000MNT。

●家計状況の収支ついての質問には、46%が不足していると回答しています。(15%が足りている、39%がどちらでもない)

●社会経済の状況が家計に影響していると思うかとの質問には、41%がとても影響している、32%がまあまあ影響していると回答しています。(24%が少し、2%があまり影響なし、1%が全くなし)

●金のことで家庭内で喧嘩することはありますかとの質問には、7%がすると、72%がときどきすると回答しています。(21%はしない)

●金が不足した原因としては、病気が43%と圧倒的に多く、家の費用(22%)、借金(20%)と続きます。

●現状の家計では購えないものとして、株式(37%)、借家(34%)、学費(12%)、病気の際の費用(9%)、不慮の事故の際の費用(6%)、家の祝祭(2%)が挙げられています。

●金が不足したときの対処方法としては、給与の前借(42%)、知人からの借り入れ(34%)、担保に入れる(12%)と続き、これらの合計は、預金から支出する(10%)を大きく上回っています。

●収入不足の解消の方策としては、給料の増額(40%)、預金する(29%)、副業をする(25%)、保険に加入する(5%)、国の支援を期待する(1%)といったことを考えているようです。

●家計について計画的に考えているかどうかという質問の回答は、はい(22%)、いいえ(35%)、どちらでもない(43%)です。

●保険加入の状況では、ドライバー賠償責任保険(77%)、自動車保険(44%)、健康保険(30%)、住宅保険(29%)、損害保険(13%)、生命保険(13%)という加入率が出ています。







2014年9月8日月曜日

「支払いを国内紙幣ですることに関する法律」

外国企業は、モンゴルで契約するときには、主にUSドル建てで契約しようとします。為替リスクを回避するためでもありますが、ここに落とし穴があります。



「支払いを国内紙幣ですることに関する法律」2009年)をご存知でしょうか?(私の知る限り、この法律の内容について解説された日本の文献や資料、WEBサイトはありません。)


この法律の4.1により、モンゴル国内でする支払については、一部の例外・中央銀行の許可がある場合を除き、MNTで支払いの表現をすることが義務付けられており、USDなどの外国通貨で支払の表現をすることが禁じられています。


具体的には、商品広告でMNT以外の通貨単位を用いることや、売買契約をMNT以外の通貨単位で行うことが禁止されているのです。モンゴル進出の日本企業でよく見られるのが、従業員の給与をUSDで記載しているような事例ですが、これも違法ということになります。


この法律の罰則は行政罰として次のものが規定されています。契約で得た利益の没収、最低賃金の10~30・50~100倍の罰金、修正の行政指導に従わない場合の企業の登録取消しなど。
また、契約の当該部分は無効になる可能性があると思われます。


契約の際にはご注意を!
*なお、この規制を回避する方法も一応あるにはありますが、ここでは公開しないこととします。

2014年9月4日木曜日

プーチン大統領のモンゴル訪問

昨日、プーチン大統領がモンゴルを訪問しました。
日帰りでの訪問でしたが、ジューコフ博物館などを訪問したそうです。

今年は、ノモンハン事件(ハルハ河戦争)75周年にあたります。ハルハ河の戦いは1939年5月から9月にかけて行われました。当初は満州国軍とモンゴル人民共和国軍との戦闘でしたが、最終的には、関東軍とソビエト労農赤軍との大戦争になりました。この戦争でのモンゴル側の死傷者は約1000人とされています。
ロシア共同研究『20世紀の戦争におけるロシア・ソ連:統計的分析』, 2011


ビエト軍の司令官は、当時白ロシア軍管区副司令官であったゲオルギー・ジューコフ中将でした
(独断専行を主導して敗戦を招いた関東軍参謀の辻政信・服部卓四郎らは一時閑職に追いやられたもののすぐに軍中枢(後、辻は参謀本部作戦班長・大佐、戦後は衆参議員等を歴任。服部は参謀本部作戦課長・大佐、戦後は復員庁部長などを歴任。)に返り咲きますが、現場指揮官以下の軍人の処遇は悲惨であり、生き残った連隊長の多くは自決を強いられました。日本側の主力部隊であった第23師団(小松原中将)捜索隊長の井置栄一中佐(陸士26期、自決後大佐)は筆者の高校時代の恩師の父です。帰国後井置中佐は自決するのですが、軍の処遇についてご家族は非常に悲しみ恨んでいたようです。私自身も軍の対応には怒りを覚えます。)


モンゴルには現在ジューコフ博物館があります。博物館展示はこじんまりしたものですが、博物館脇にあるジューコフ像は非常に大きく、立派なものです。昨日は、ここでプーチン大統領を招いた記念式典が行われました。
5月の対独戦勝記念日もそうですが、モンゴルで過ごしていると過去の戦争の記念日や記念イベントの都度、少し後ろ暗い気持ちになります。)



今回の訪問に合わせて、両国民のビザ免除や、鉄道をはじめとする開発支援が約束されています。

2014年9月3日水曜日

最近のモンゴル訴訟事情③

前回、前々回からの続きです。

最近の訴訟で目立つ、2 保険関係事件とはどのような内容なのでしょうか。


目立って増えているのは交通事故で保険を使うケースです。モンゴルでは2013年から自動車の強制保険が義務づけられており、それに伴って紛争も増加しているようです。
何が争いになるかというと、保険会社が支払を拒否する事案です。保険金詐欺が疑われるような事案と言い換えてもよいでしょう。
たとえば、交通事故の前日に多額(たとえば1万ドル)の対物保険がかけられていたとかいった事件が係属しています。


モンゴルの交通事故処理に関しては以前このブログでも書きました。保険会社が絡むことが多くなっていますが、初期の混乱もなくなり、交通警察の事故処理も少しずつ手慣れてきているように感じます。
http://mongolaw.blogspot.com/2014/04/blog-post_29.html


交通事故については、障害や治療費については担当の役所で、物損については民間の評価会社でいっったん損害評価がなされます。また、交通事故証明書によっていったんは交通警察によって過失評価がなされます。これらの評価に基づき、保険会社が再度独自の評価を行い、支払金額を確定していく方法がとられているようです。


2014年9月2日火曜日

最近のモンゴル訴訟事情②

前回の続きです。

最近の訴訟では、1 不動産関係事件と、2 保険関係事件の増加傾向が見られると書きました。
そのうち、1 不動産関係事件としては、1-1 マンション面積のトラブルが激増している点にふれました。
不動産関係事件のうち、もう1つ、増加している紛争は次のようなものです。

1-2 マンション管理組合とのトラブル
この類型は、マンション所有者側に問題がある紛争と、管理組合側に問題がある紛争とに分けられます。


写真:マンション購入時には、水周り、共有部分、周囲の環境など慎重にチェックする必要がある。


1-2-1 マンション所有者側に問題がある紛争
管理料金未払いの問題が多く発生しています。この場合、所有者側には管理組合がきちんと管理しない(例として、掃除、ごみ捨場、電気水道、出入口等の管理を適切にしてくれない管理組合はとても多い)ことに対する不満があることが多いのですが、それとこれとは別の話であり、やはり決められた管理費を支払わなければほぼ間違いなく訴訟では敗訴しているようです。
なお、マンションの管理費は銀行振り込みできない場合が多いです。したがって、海外在住の方がモンゴルで投資用マンションを購入するような場合、管理費の支払方法をどうするか(現地の人に手渡ししてもらうなど)あらかじめ考えておくことが必要です。

1-2-2 マンション管理組合側に問題がある紛争
マンション管理組合は、管理業務を委託された組合でありますが、必ずしもマンション所有者・居住者の意思に従って動きません。
マンション分譲時に業務を委託された者が管理組合を支配し、勝手に管理事務所として使用しているマンションの一室を売却するような事案も見受けられます。この場合、この部屋には売主の所有権はないのが通常ですので、無権利者からの譲受であり、買主は保護されません(日本のように第三者保護規定はありません)。
したがって、マンション購入の際には売主の権利を権利証等で厳重に確認しておく必要があるのです。
また、モンゴルでは建設前のマンションが売買されることもあり、その場合には、マンションが完成・登録されていないので、権利証は存在しません。このような不安定な取引は極力避けるべきでしょう。



年齢を意識する

 高校の同窓会の案内が届いた。卒業後30年以上経ってはじめての同窓会である。同級生は皆50歳を超えている。生憎、所用で参加できないのだが、いまだに14歳のときから考えていることはほとんどおんなじで年齢を意識することなどほとんどないぼくも、ああ、おじいさんになったのかとしみじみする...