2014年11月21日金曜日

司法試験合格発表

モンゴルでも司法試験が行われています。社会主義時代は法学部卒業者に自動的に法曹資格が付与されていましたが、民主化後しばらくして1990年代末から司法試験(法曹資格付与試験)が行われるようになりました。

司法試験受験資格を得るには法学士取得後2年間の法律実務経験が必要です。試験に合格するといわゆる事務弁護士(法廷に立てない弁護士。ソリシター類似)の資格が得られます。
これまでは司法試験合格者に対してさらに弁護士、裁判官、検察官等の試験が行われていましたが、昨年からは、たとえば弁護士については裁判所に登録することで弁護士業務を認めるなど、制度が大幅に変更されています。
 携帯持ち込み禁止ですが、携帯等を使用した不正行為の話も聞いています。つてがなく失敗したようですが、実際に贈賄による合格を企図した人も知っています。もっとも、不正行為や試験にからんだ贈収賄は日本の大学(医学部に限らないことは、なべやかん氏の事件でも周知の事実。近年教員採用試験で表面化したように公務員試験でも同様のことがあります)などでもあることですので、モンゴルだけがおかしいわけでもありません。


昨年は司法改革による法曹資格制度の変更により司法試験は実施されませんでしたので、新制度になってはじめての司法試験となります。昨年試験が実施されなかったこともあり、今年の試験は1698人が願書提出、1506人が実際に受験をしました(受験申込人数は2010年710人、2011年925人、2012年960人と次第に増加傾向にあります)。


試験はいわゆる択一試験と論文試験であり、すべての試験がコンピュータに入力する方式で行われます。試験に必要なコンピュータを確保するために試験会場は分散され、ゲームセンターやインターネットカフェも使用されました。
試験は11月12日と13日の2日間で実施、択一試験は70%以上の得点で合格します。択一試験の合否は当日に判明し、合格者のみ論文試験を受験できます。論文試験受験者数は747人。論文試験の得点と択一試験の特定の総合得点で合格者が選ばれます。


試験結果ですが、20日発表の最終合格者は312人。性別では、男170人、女142人。 年齢では、20ー30歳が246人、31-40歳が49人、41-60歳が17人。大学別では国立大165人と半数以上を占め、イフザクグ大学55人、シヒグツグ大学37人と続きます。

2014年11月17日月曜日

税務職員のインセンティブ

これは税務局のWEBで公表されているので秘密でもなんでもないのですが、日本人からみると非常に驚くべき制度ですので、ご紹介します。



モンゴルの税務署は非常に恣意的な徴税をするといったうわさがありますし、賄賂に関するうわさも絶えません。日本の税務署が必ずしも透明とは思いませんが、モンゴルの税務行政が日本以上に混沌としているのは誰もが同意するところだと思います。



これは、各税務署の職員に与えられたボーナスの一覧表です(右端が金額。その左がボーナスを支給された部門の部長の名前)。
徴税についてのインセンティブを与えるという目的でこれらのボーナスが支給されているようですが、その金額がすごい。たとえば、バヤンズルフ税務局(No.3)のЦ.Сайнбуян部長の部署は、2013年のボーナスとして   1,155,200,000MNTを受け取っているということです。11億5520万MNT。現在のレートでは約7000万円です。部の人数が何人いるのか分かりませんが、100人としても1人70万円!50人なら140万円!部長とか幹部は多く取るでしょうから、最低賃金が19万MNT(約1万2000円弱)の社会で税務署員の立場のすごさがよく分かります。


(税務局リンク)
http://www.mta.mn/news/show/1076

ЗАСАГ ДАРГА, ИРГЭДИЙН ТӨЛӨӨЛӨГЧДИЙН ХУРЛААС 
ОЛГОСОН ҮР ДҮНГИЙН ГЭРЭЭНИЙ УРАМШУУЛЛЫН СУДАЛГАА
Д/д
Татварын алба
Огноо
Газрын /хэлтэс/ даргын нэр
Гэрээний дагуу Татварын албанд олгосон урамшууллын дүн /төгрөг/
1
Нийслэлийн Татварын
газар
2009
С.Энхбаатар
                                191,700,000
2010
С.Энхбаатар
                                135,000,000
2011
С.Энхбаатар
                                300,000,000
2012
С.Энхбаатар
                                144,844,200
Нийт
                                771,544,200
2
Баянгол дүүргийн
Татварын хэлтэс
2010
 Д.Энхбат
                                200,000,000
2011
 Б.Оюунтуяа
                                120,000,000
2012
 Б.Оюунтуяа
                                195,000,000
2013
 Б.Оюунтуяа
                                599,500,000
Нийт
                             1,114,500,000
3
Баянзүрх дүүргийн
Татварын хэлтэс
2010
Д.Готов
                                  42,400,000
2011
Ч.Сүрэнхорлоо
                                  91,700,000
2012
Ч.Сүрэнхорлоо
                                157,300,000
2013
Ц.Сайнбуян
                             1,155,200,000
Нийт
                             1,446,600,000
4
Чингэлтэй дүүргийн
Татварын хэлтэс
2010
Л.Нэргүй
                                293,664,800
2011
Л.Нэргүй
                                706,335,000
2012
Л.Нэргүй
                                  56,000,000
2013
М.Болортуяа
                                250,000,000
Нийт
                             1,305,999,800
5
Сүхбаатар дүүргийн
Татварын хэлтэс
2010
Б.Занданбат
                                480,000,000
2011
Б.Занданбат
                                618,000,000
2012
Б.Занданбат
                                800,000,000
2013
Ц.Амартайван
                                800,000,000
Нийт
                             2,698,000,000
6
Сонгинохайрхан дүүргийн
Татварын хэлтэс
2010
А.Ариунгэрэл
                                  27,987,452
2011
А.Ариунгэрэл
                                  71,255,900
2012
Ц.Сүхбаатар
                                  87,912,500
2013
Ц.Сүхбаатар
                                340,060,350
Нийт
                                527,216,202
7
Хан-Уул дүүргийн
Татварын хэлтэс
2010
Х.Төмөрбаатар
                                  34,500,000
2011
Д.Батхуяг
                                  88,600,000
2012
Д.Батхуяг
                                190,000,000
2013
Д.Бадам
                                416,600,000
Нийт
                                729,700,000
8
Багануур дүүргийн
Татварын хэлтэс
2010
Д.Болд
                                  40,000,000
2011
Д.Болд
                                  10,000,000
2012
Д.Болд
                                     2,500,000
Нийт
                                  52,500,000
9
Налайх дүүргийн
Татварын хэлтэс
2011
Н.Энхээ
                                     6,000,000
2012
Д.Энхбаяр
                                  20,000,000
Нийт
                                  26,000,000

2014年11月12日水曜日

首相の不信任決議で名誉毀損

みなさんご承知のとおり今月5日にアルタンホヤグ首相に対する不信任決議が可決され、首相は辞任しました。


驚くべきことに、アルタンホヤグ前首相は、不信任決議を提出したハヤンヒャルバ国会議員に対して、名誉毀損で民事訴訟を提起しました。不信任決議に対して、名誉毀損の民事訴訟で対抗するというのは、ふつうでは考えられないですね。


興味深いのは、2014年11月5日付けで訴状が提起され、その日の夜のうちに第1回期日が2014年11月7日午前10時00分(報道では11時ですが写真の呼出状では11時になっています)と決定して呼出状が送付されたとのことです。管轄しているのはUBの民事第2裁判所です(私は昨日も今日も仕事で第2民事裁判所に行っていましたが、事務局長もこの件で苦情が来たりして大変だとぼやいていました)。


このように迅速に事件処理がなされるのであれば司法改革は成功したといえるだろうと、マスコミは皮肉なコメントをしています。





2014年11月11日火曜日

モンゴル不動産市場の透明性

だいぶ前の話になりますが、今年7月、総合不動産サービス大手のJLLグループ(本社イリノイ州シカゴ)と、ラサール インベストメント マネージメント(本社イリノイ州シカゴ)が、世界の不動産市場の透明度を数値化した2年に1度の独自調査レポート「2014年版グローバル不動産透明度調査」を発表しています。

この調査によれば、対象国102カ国中、モンゴルは99位!
笑ってしまうような順位ですが、下には100位ミャンマー、101位セネガル、102位リビアとあります。リビアってね。
ちなみに1位イギリス、2位アメリカ・・・日本は26位です。

ガバナンス、規制と法制度、取引プロセスといった評価基準があるようですが、確かに、モンゴルの不動産取引というのは透明性は非常に低いという意見も一理あると思います。まあ、株式とかも同じようなものだと思いますけど。
5年モンゴルで生活して実感したのは、結局、僕らにまで回ってくるような安易な儲け話というのは、少なくともモンゴル関連ではほとんど聞くだけ無駄と思います。騙されないように気をつけて、損しないだけで精一杯ですね。

2014年11月10日月曜日

モンゴルの景気動向(2014年11月)

先日内閣が倒れて首相不在、今週中に来年度予算案可決の必要ありという、たいへん困った政治状況ですが、今後のモンゴル経済はどうなるのでしょうか。一般的には、見通しは明るくないようです。


外貨準備が不足しているという話は、もうかれこれ2年近く前から言われていることだと思いますが、先日、モンゴル国内では、「外貨準備がとうとうなくなった」という報道がされました。公式発表ではなくあくまでうわさですが、この件はその後あまり報道されなくなりました。現在も国立銀行から正式な外貨準備高の発表は行われていません。


この報道が正しいかどうかはともかく、外貨準備が危機的状況であることは間違いないと思います。タバンロトゴイ炭鉱の石炭輸出もまだ紛争が続いており、2017年からはドル建てのチンギス債償還もはじまる状況。外貨不足は非常に重要な問題です。



このような状況で、最終的には外国の支援を受けることになると思いますが、対外債務GNP比40%以内の枠組みが海外からの支援を受ける際の足かせとなっています。新内閣は、与野党連立といううわさもあります。これは、連立内閣にして、対外債務をGNP比60%まで引き上げる法案を可決させ、危機を乗り切ろうという案があるからだといわれています。今、このあたりのネタを新聞記者たちが探り始めているようです。


体感レベルの話をすると、最近役所の予算がかなり窮屈になっている気がしています。予算がきちんと配分されていないのか、金が足りていない実感があります。給与はきちんと支給されていますが、それ以外の予算についてはかなり支出がシビアに見られるようになっています。単純に予算の支出管理が厳しくなっただけではないように感じています。

2014年11月7日金曜日

モンゴルで禁止されているビジネス

モンゴル国では、次の種類の企業活動が禁止されています。

1.阿片、法律で定める以外の麻薬の製造・輸入・販売

2.売春(幇助含む)やその広告

カジノ

4.いわゆる連鎖販売取引事業
*日本と異なり有限連鎖であっても禁止されていると思われる。


これらは非常に適切な規制だと思いますが、カジノの是非については日本でも議論になっているところであり、地理的に、中国・韓国などの外国人客を対象にすれば外貨収入を得られるメリットもありそうです。
以前、モンゴルでもカジノ法の導入が検討されたことがありますし、パチンコもありました。パチンコは、熱中してアパートを失い生活を崩壊させる人も出てくるなど社会問題化して禁止された経緯があります。これは資本主義の導入時期ということも考えると正しい判断だったように思います。
* もちろん日本でもパチンコに起因する自己破産や犯罪が多発しているのは周知のことです。先日の警察庁の国会答弁にもあったように国はパチンコが賭博であると絶対に認めませんが、明らかに換金できることは、飛田新地で売春がされていることと同様、全員が知っていることです。たとえば「寡婦の店」のようにパチンコの換金所はパチンコ店とは別だと装っていますが、明らかにパチンコ店と一体です。ただ、最近、ヘイトスピーチを行う右翼団体などがパチンコに対して異議を述べている現状もあり、パチンコに反対する議員が西村真悟衆議院議員であるなど、日本で「パチンコがおかしい」と主張すると彼らと同列にみなされかねないように感じて躊躇してしまいます。

最近では、日本企業による還元水などの連鎖販売取引が流行していましたが、詐欺のようなものだといった認識も広がっているようです。もちろんピラミッドの上位の人は多大な利益を上げています。パチンコや売春は刑法に反するものであり連鎖販売とは少し意味合いが異なりますし、実際モンゴルでは個人が行っている場合には適法なわけですが、消費者被害などいわれるときが来るかもしれません。

なお、カジノについては、法務内務省から特別許可を得れば事業として行うことが可能ですが、許可を得るのはかなり困難だと思います。








年齢を意識する

 高校の同窓会の案内が届いた。卒業後30年以上経ってはじめての同窓会である。同級生は皆50歳を超えている。生憎、所用で参加できないのだが、いまだに14歳のときから考えていることはほとんどおんなじで年齢を意識することなどほとんどないぼくも、ああ、おじいさんになったのかとしみじみする...