2014年10月27日月曜日

モンゴルにおける建設許可②

2012年に建設資材の落下や機械の不備による死亡事故が数件発生したことで、市内各地の建設工事は一時的に停止されました。一般市民の建設会社に対する抗議運動もおこりました。その結果、市内の建設プロジェクトは、落下からの保護の設備、工事現場の囲い、警告の看板設置などの安全規定違反の見直しと是正を余儀なくされました。建設許可の有無についても見直しが行われ、2014年になっても工事を再開できていない現場もちらほら見受けられます。

適正な手続と安全確保の要請は、今後ますます強くなることが予想されます。建設関係でモンゴルに進出しようとする日本企業は、これらの厳しい現状をよくふまえて行動することが必要です。

建設工事費を低額に抑えるため、中国や北朝鮮の労働者を使用することがよく行われているのは周知の事実です。実際にモンゴルの大きな建設プロジェクトの大半では中国人建設労働者が雇用されています。北朝鮮労働者を調達できるという日本人もいるようです。

これらの外国人労働者を雇用することが即座に違法となるわけではありません。しかし、違法に入国している外国人労働者が多数いることも周知の事実であって、雇用の際には、ビザの確認などが必要なことは言うまでもありません。不謹慎なデベロッパーにあっては、工事完了後に不法労働者を入国管理当局に自ら告発し、その結果、賃金を未払いのままにすることも行われていると聞いています。会社が当局に支払う罰金のほうが未払賃金よりもはるかに安いからということです。しかし、このような手法がいつまでも通用するとは思わない方がよいでしょう。


モンゴルにおける建築許可①

建設許可に関するお問い合わせが多いので、かんたんな説明をしたいと思います。

まずはじめに、全体的な建設許可の流れをご紹介します。
20の手順に分けています。( )内は標準的な時間です。最後にMNTと記載しているのは手数料です。けっこうたいへんな作業ですね。


1            市環境局に環境影響評価を申請(28日)

2            土地所有契約および建設許可を申請(15日)

3            都市開発省に予備図面の承認を申請(14日)
      60,000 MNT

4            技術委員会に予備的な図面の承認を申請(14日)

5           暖房のための技術的条件を申請(30日)
      11,000 MNT

6           上下水道のための技術的条件申請(30日) 

7           電話接続のための技術的条件を申請(30日)            

8            消防署からの最終の図面の承認を得る(1日)
      150,000 MNT

9            衛生省からの最終の図面の承認を得る(14日)
      25,000 MNT

10         建築主事から、最終的な図面の承認を得る(7日)
      60,000 MNT

11          建設工事のライセンスを取得(建築許可)(21日)

12          水利用機関からの検査を申請(2日)

13          通信サービスからの検査を申請(1日)

14          水道に接続(2日)

15          通信サービスに接続(1日)

16          技術委員会の立入検査を申請(14日)

17          技術委員会の検査(1日)

18          国家検査局の立入検査申請(1日)

19          国家委員会から建物の承認を得る(17日)

20          建物を不動産登録(14日)
       [建物価格の0.01%]MNT

* 5-7のステップは並行して行うことができる

法曹ステータス法に対する憲法裁判

モンゴルの司法改革の目玉の一つとして2012年に成立した「法曹の地位に関する法律」ですが、施行後約1年が経過しています。
この法律について、憲法裁判所で審理が行われており、先週(10月21日)中間判決が出ました。

詳細は明らかになっていませんが、報道によれば、「法曹の専門的活動とは、司法制度の実施または訴訟において人の権限・法的利益を代表して訴訟にかかわりまたは人の法律相談をすることをいう」(法曹の地位に関する法律3条1項3号) という規定が、憲法16条4項「職業選択の自由」等に違反するとのことです。

* 同時に審理されていた「法律専門活動許可に基づき、法曹は、弁護士、検察官、裁判官になることができる」(法曹の地位に関する法律19 条6項)が司法の章の規定(51.3など)に違反するとの主張は退けられたとのことです。


私は司法改革関連法案6つのうちの1つの起草委員を務めました。立法過程の拙速さは反省すべきところがあったと思います。しかし、裁判員法に続き、法曹の地位に関する法律についても憲法違反とされるのは、非常に困った事態ですね。

2014年10月25日土曜日

企業会計書式ガイドラインについて

モンゴル会計法に基づいて、「企業等で広く使用される会計基本書面の書式および記帳方法のガイドライン」(財務大臣、国家統計局長2002 年第171/111号共同決定)が出されており、モンゴルで活動する企業は、このガイドラインに従った会計書面作成を行う必要があります。会計用基本書面のない取り引きを会計帳簿および会計報告書に記載することは認められていません。

領収書や請求書の書式についても規定がありますので、モンゴルで営業等を計画されている人は、一読されることをおすすめします。

2014年10月23日木曜日

Google ストリートビュー始まる

モンゴルでも、Google マップのストリートビューの撮影が開始されるそうです.昨日開始式が行われていました。



現在でも、地方も含めてGoogle マップにはポイントごとの写真は掲載されていますが、ストリートビューができるとなると、地方=辺境という感じがなくなりますね。

2014年10月17日金曜日

FIFTA解体後のモンゴルにおける外国投資会社の設立フロー

国際協力機構(JICA)が「モンゴル投資ガイド」というガイドブックを公開していますが、2013年1月に発行されており、内容が古くなっている部分や誤りがあるように思います。
http://www.jica.go.jp/activities/schemes/priv_partner/ku57pq000016s6az-att/invest_mongol_01.pdf


モンゴルに進出する日本企業が気になるのは、モンゴルでの会社設立手続だと思いますが、残念ながらこの部分の記載にも誤りが・・・そこで、今回は、この手続について解説したいと思います。FIFTA解体後の外国投資会社の設立手続について広く日本語で解説するのは、本稿が最初のものであると思います
* モンゴルでの会社設立手続については「ガイド」にも当然記載があります。しかし、驚くべきことに、「ガイド」ではすでに廃止された外国投資貿易庁(FIFTA)の制度下の手続が記載されているという問題があります。これでは全く利用者の「ガイド」になりません。さらに、この「ガイド」の誤った記載をそのまま転載したと思われる書籍等も日本国内で発行されており、誤った情報が拡散しているという懸念すらあるのです。「ガイド」の記載は早急に当該部分だけでも更新するか、閲覧者に注意喚起するための注意書きを大きく当該部分に入れるなどする必要があるように思われます(JICAが発行する以上、いくら各自で最新情報を得るようにと末尾の注意書等で書いていても、「ガイド」本文の情報が一種の公的な情報として信頼されてしまうことは事実としてあるはずです。これは、日本人向けの投資勧誘のガイドなのであり、多額の税金を費やして作成したものなのですから、定期的にフォローアップして1年ごとに版を変えて修正するなどメンテナンスされるべきだと思います)。今回のブログの内容は、主に「ガイド」101ページの修正ということになります。いかに「ガイド」の内容が現状に合致していないか、「ガイド」と比較しながら見ていただければより明らかになることと思います。

「ガイド」作成後、外国投資貿易庁の権限は、経済開発庁に移転されました。その後、さらに、現在では投資局(Invest Mpngolia Agency)に権限が移っています。投資局は内閣直属の機関です。今のところ、投資局で日本語ガイド等は発行していません。従前からの手続の変更点で不明確な点も複数あったことから、私が実際にモンゴル投資局担当者から聴き取ったのが次の内容です。。

1 大前提として、以前FIFTAが絡んでいた設立手続は、基本的にすべて国家登録局(法人登録部門)が行っています。

2 外国投資会社設立は次のような流れとなります。

【ステップ1】登録局
 登録局で設立会社の名義が登録可能かどうか確認する(黄色い設立OKの紙をもらう)
                   ↓
【ステップ2】税務局
 税務局に会社登録の申請書を提出する(申請済みの紙をもらう) 
                   ↓
【ステップ3】銀行
 銀行にて 100,000 USD以上を預け入れて、銀行口座(仮口座)を開設する
                   ↓
【ステップ?】書類準備 *「ガイド」にはこの位置に1つのステップとしての記載があるが、以下の理由からステップとはいえない
 「公証人に定款等の認証を受ける」と「ガイド」には記載がありますが、これは公証手続のことです。この手続は必ずしもこのステップでなくてもかまいません。単なる書類準備であり、本来はステップに入れるべきものではありません。*公証については、当ブログ「モンゴル・公証人」をご参照ください。http://mongolaw.blogspot.com/2014/05/blog-post_9.html
                   ↓
【ステップ4】登録局
 登録局へ必要書類を提出する。このとき登録局から外国投資IDカードを受領する。*このIDはビザ申請等に用います。
                  ↓
【ステップ5】許可後の手続
 登録局から会社設立許可証を受領する。
 その後、税務局、社会保険局への届出、印鑑の作成などを行う。

以上が、フローの概要です。設立手続には、現在、約1か月かかっていると担当者から聴取しています。

2014年10月9日木曜日

モンゴルの医療過誤訴訟

モンゴルで一つの医療過誤訴訟が話題になっています。
2014年10月8日、ウランバートルの第一審刑事裁判所で、医療過誤による死亡事件についての裁判がはじまりました。
裁判が何度も延期された著名な医師の医療過誤ということで話題になっています。

事案は、2013年3月、バヤンズルフの市民病院で帝王切開による出産が行われたが、そのとき22歳だった妊婦の体内に胎盤の一部を残したままにしたことで後日妊婦が死亡したというものです。

刑法106条2項の医療過誤致死罪でチーム5人が起訴されており、その責任者が名誉称号を持つ著名な医師です。医療過誤罪が認められれば医師資格等の剥奪および最大で3年までの懲役刑が科せられます。