2026年5月6日水曜日
2020年8月11日火曜日
JICAと社労士(ついでに厚労省)の闇(4)
(前回、前々回、前々前回からの続きです。ラスト。)
結局、日本の社労士制度をインドネシアに導入しようとするのは悪いとは言いません。しかし、嘘をついてまでとまでは言いませんが、誤解を招くようなプロモーションするのはどうかと思います。JICAは、ODAを使って特定業種(今回は社労士)のプロモーションに加担しているとしか思えません。これは、ODAに群がる日本企業に金をばらまいていた昔の構造と全く同じに見えます。そして、社労士プロモーションの後ろには所管の厚労省が控えているわけです。
また、小野氏の発言のみを今回は抽出しましたが、好意的に解釈しても社労士制度の説明が不適切です。「日本の弁護士は裁判業務ばかりで交渉や紛争予防はしない」とか、実績があるのかどうか不明の社労士保佐人(裁判での意見陳述)を一般的であるかのように述べて「弁護士は、労働事件はわからない」とウソをついています(言い切ってはいないが、そう聞こえます。で、これはウソでしょう)。このウソのために、「労働紛争解決制度の紹介」と銘打っているセミナーであるにもかかわらず労働審判をあえて説明していないといった困った事態になっています。もし、この社労士が本当にそう思っているならばそれはそれでどうかと思います。
このようなセミナーは、日本を信頼して聞いてくれている他国(今回はインドネシア)の聴衆にたいして不誠実です。事実の検証が難しい外国で、自分たちのプロモーションのために著しく客観性に欠ける説明をするのは、ほとんど詐欺です。「社労士のプロモーション」と正面から言えばまだ良いものを、「日本の労働紛争解決制度」の説明と言って、社労士会ADRがあたかも労働局のあっせんや裁判等と同じだけの地位のある制度であるかのように説明し、弁護士の役割を貶める説明を行ってよいはずがありません。
JICAの支援は要請主義ですので、相手国から要請を出すように「営業」するのはやむを得ないことかもしれませんが、事実を曲げてまで要請を取り付けようとするのは、まともなやり方だとは思えません。社労士制度が本当にインドネシアに必要だと思うなら、正面から説明すべきで、ちょいちょい誤魔化しているところをみれば、本当は必要もない制度をODAを使って押し売りしていると言われてもしょうがない。そのことを、当の社労士自身も認識している証しだと思います。そして、社労士会も、そこまでしてインドネシアに社労士制度をつくって何がしたいのかとも思います。
*後日の検証のためにも、このYouTube消さないよう関係者にはお願いします。https://www.youtube.com/watch?v=ZoAAlI37Yng
JICAと社労士(ついでに厚労省)の闇(3)
(前回、前々回からの続きです)
さらに小野氏は、次のようにも述べます。
「社労士は、民間セクター。資格試験にパスしたら誰でもできる。一般的には自分で事務所を持っている。そのスタイルは、たぶんインドネシアで言えば弁護士と同じです。」
「労働者と企業が直接労使交渉する際、話し合いの場合に、交渉の代理人としては、社労士は入れない。ただ、その間にたって、話し合いの中で専門知識を生かして調整することは可能です。労働者側がADR、あっせんを申し立てた場合に、労働者側の代理人として社労士がconciliatorとして立つことができるし、使用者側代理人として社労士がconciliatoとして立つことはできる。というのは、弁護士法が先にできてて、社労士法が後にできたので、範囲は限定的ということですが、ADRに進んだ場合はあっせんできる。」
「ILOがいうソーシャルダイアログを促進する意味で社労士を間に入れることを調整することはよくやっている。法律問題を解決する代理人としてではなくて。弁護士が化学薬品とすれば、社労士はジャムウ、普段からじっくり服用して健康な体を作る役割です。」
小野氏は、ことごとく社労士を弁護士と対比されますが、弁護士と比較して社労士がよりよい解決ができるというのはかなり無理がある立論のような気がします。ていうか、弁護士資格で社労士登録できるんですけど?
JICAと社労士(ついでに厚労省)の闇(2)
(前回からの続きです)
小野氏のその他の発言ですが、気になった点を列挙してみます。
「(社労士は)社内規則を作ったり、契約書を確かな法律に従ったもので作ったりする手助けをする。大きな紛争になる前に労使対話を促進して未然防止する。社労士とブンガチャラ(弁護士)の違いは、弁護士は裁判上紛争が起こってしまってから解決することが多いが、社労士は未然に防止する。」
「労使紛争の数に比して労働基準監督官の数は不足している。そこに社労士が補完的に役割を担える。」
「弁護士が、裁判から後のステージを業務としているので、社労士が裁判前のステージで紛争予防の仕事を主な業務にしている。話し合いでなるべくものごとを解決するのが主業務です。ぼくは大阪労働局のあっせん委員をしているが、大阪労働局で話している中で、弁護士と社労士の違いを話したことがある。弁護士はあっせんを打ち切る確率が高いというのが労働局の職員の印象らしい。なぜかというと、あっせんで無理して解決しなくても裁判にもっていって解決したらいいじゃないかと思いがちだ。社労士は解決するのが仕事だと思っているので、解決率は高いと言われている。」
これらも、一般論としては妥当ではなく、かなり一方的な見解であるように思います。そもそも、あっせんそのものの解決率が低いですし、かなり利用されていると思われる労働審判についても一切述べられていません。
JICAと社労士(ついでに厚労省)の闇(1)
私は、このブログで社会派ネタを書きませんが、今回は珍しく書きます。
私自身、JICAの法整備支援専門家として5年8か月モンゴルに派遣されて、様々思うところがありました。正直、JICAのODAで食っている人が数多いのも知っています。そういう人たちを非難する気持ちは全くないのですが、今回は、無理繰りさが際立っていると思った話題をあえて。
JICAがインドネシアに社会保険労務士(社労士)制度を導入するプロジェクトを実施しています。このプロジェクトに関係して、WEBセミナーが行われ、YouTubeで公開されていますが、その内容があまりに歪んでいるように思います。https://www.youtube.com/watch?v=ZoAAlI37Yng
たとえば、このセミナー中で特に気になったのは次のような点です。
特定社会保険労務士の小野佳彦氏は、社労士は、普段から労使対話を促進する役割を担っていると述べています。そして、社労士は労使の間で調整、政府のあっせん機関での労働者・使用者の代理をやることを強調します。
しかし、小野氏は次のようなことも併せて述べています。「ただ、社労士は裁判にも一部出るようになっている。弁護士の中には、労働問題に深い知識を持っている人もいるけれど、そういう人は限られていて、一般的な民事・刑事は慣れていても、労働・社会保障には慣れていなくて対応しきれないので、社労士が一緒に出て専門的な意見を述べる役割を担う。これが社労士である。」
2015年法改正による保佐人業務のことを述べているのだと思いますが、一般論として、弁護士と対比して、社労士のほうがより専門知識があるということがあるでしょうか?
2019年6月17日月曜日
2019年4月5日金曜日
BTB モンゴルは今
BTVケーブルテレビ(都城市)の「モンゴルは今」という番組で、私に密着取材していただきました!*3/19で放映終わっているようです.。
https://www.youtube.com/watch?v=Mq6IYWxaXUc&feature=youtu.be&fbclid=IwAR05jpDlacvT4oxWUG2222rtzp4GDXLmPvpWzm30tAvHgM3cCi4_jI-vJrQ
2019年3月15日金曜日
新刊のお知らせ

新刊出ました!だいぶ最初のほうに寄稿しています。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4797269030/ref=dbs_a_def_rwt_bibl_vppi_i1
ところで、信山社といえば伝統と格式の出版社と思っていました。
いつかはこんな立派な版元から本出せたらな。と、そこまでの思い入れはないにしても、相応の重厚さみたいなイメージがありました。だから、信山社から雑誌に書いてくださいと頼まれたときは二つ返事で受けましたし、僕にはめずらしく原稿もきちんと締め切りには間に合わせたわけです。
ところがその後延々と発行が遅れていき最後には2年遅れる。途中でどうなってるか問い合わせても編集者は返事ない。発行したらしたで著者に(というか私には)連絡もなし、見本誌も送ってこない(書いてもない人には送ってるのを知っている)。
こういう諸々「はあああああぁああ?」と思うわけだ。ゴミ(ぼくのことな)はゴミなりにへんなプライドあるからな。
なお、なにせ我ながら書いた内容は酷くお粗末であることがすごく身に染みてわかってるので、読み返したくもないし誰かに読んでほしくもありません。
ですから、結局まとめると、今の感じでいいんですよ!文句ない着地点です。
2019年3月14日木曜日
ミャンマーで調停が試行開始!
とうとうミャンマーでも調停の実験(パイロット・コートでの試行)がはじまりました。
2月末に、開始式に参加し、パイロットコートも訪問してきました。
2019年2月15日金曜日
読書会で読まれたり選書で選ばれるのはうれしすぎるよな
こういうところに選んでいただけるのは、純粋にうれしいですね。
Amazonでは昨年秋ごろからようやく在庫が安定してきたようですね。
売れ行きはまあこの手の本ならしょうがないのかもしれませんが、できればもっと売れてほしいよね。
https://www.amazon.co.jp/%E3%81%8A%E3%81%BE%E3%81%88%E3%81%8C%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%90%E3%82%8C%E3%82%88%E2%80%95%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%83%AB%E6%9C%80%E9%AB%98%E8%A3%81%E3%81%A7%E3%81%AE%E6%B3%95%E6%95%B4%E5%82%99%E6%94%AF%E6%8F%B42045%E6%97%A5-%E5%B2%A1-%E8%8B%B1%E7%94%B7/dp/4906929575
https://yokodoku.hatenablog.com/entry/2018/12/09/213238?fbclid=IwAR24tY8HY1CXh__gtQKlNfkeVfvquiIVs4Cutw74PHvQqWf2jHrdyjuOI44
モンゴルにも行っています!(近況報告)
いちいちブログで報告することもしていませんが、毎月のモンゴル訪問は相変わらず続いています。毎月1週間程度の滞在です。来年度も引き続く予定でおります。
1月、2月は研修講師の仕事が多いのです。先日も、姫路、枚方(2回)で講義をしてきました。姫路市は「行政法」を姫路市の各種条例とからめながら解説するという難しいお題。枚方市はざっくり「憲法」というお題だったのですが、それはそれで結構悩みます。
今月(2月)も来週からモンゴル、再来週からミャンマーです。とくに来週は都城市のケーブルTVで岡の取材が1日行われます。とうとう日本のTVデビューですか(笑)。モンゴルではすでにレギュラー司会の番組を半年持っていましたので、ここまでくるのは結構長かったな(笑)。
最後に、神戸学院大学では3年間「労働法」「憲法」の授業を持たせていただいておりましたが、2019年3月で非常勤講師は退職です。私がいちばん勉強になりました。長い間ありがとうございました。
2018年12月29日土曜日
2018年11月13日火曜日
2018年8月27日月曜日
2018年8月24日金曜日
霞が関インターンシップ
2018年6月6日水曜日
2018年4月3日火曜日
第2回 モンゴル法セミナー
参加者は20人。今回の目玉というか売りは、講師すべてがモンゴル人弁護士・学者・法律家で、かつ、全員が日本語で講演する点です!こんな機会ないでしょ。これまでこんなイベントした人いなかったやろ。
質疑応答には岡も参加させていただきましたが、モンゴル人の先生方のきちんとしたやり取りについていくのがやっと。真面目過ぎてお通夜みたいになっていた会場を笑わせたとこだけは、僕にもワンチャン意味があったかな。
年度末のお忙しい中、ご参加いただいた皆様本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
2018年1月16日火曜日
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私は運転が苦手です。AT限定免許を保有していますが、自動車で公道を運転したのは免許取得直後の数回しかありません。 その数回のうち80%くらいの割合で「市場の雑踏に入り込む」「電柱に接触する」といったトラブルを経験しています。 今でも、車を動かそうとすると、なぜか後部トランク...
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私にも、昨年末、長男が誕生しました。日本で一人育児をする妻とよく話題になるのが、国の育児制度についてです。子を持つまでも漠然と「日本は子供を持つ女性が働きにくい」という感覚はありましたが、いま改めて実感します。一人で育児をする妻にとっては子供の預けにくさというのは深刻な問題だとい...
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モンゴルの裁判所に6年近く所属して、間近で裁判所をみてきた(とくに民事訴訟)。 はっきり言う。モンゴルで裁判に関わったことのある日本人は、多く「モンゴルの裁判所はクソだ」という趣旨の発言をする。「外国人は絶対に負ける」とも言う。それらご意見について、そういった意見が出てくる根拠...
























