2015年2月26日木曜日

モンゴルにおける訴訟テクニック

モンゴルは先週まで旧正月月(ツァガーン・サル)休みでした。チベット歴の関係でここ数年、旧正月をいつにすべきか学説がわかれ直前まで日程が決まらないような状況がありましたが、今年は2月20日が元旦ということで、混乱もなく確定していたようです。
地方の裁判所

(モンゴルの)新年最初の更新は、ブログの表題が「モンゴル法」ですので、モンゴルの裁判所における訴訟テクニックについて述べたいと思います。

日本の裁判では、自己の主張を裏付けるために、弁護士は、法律だけではなく、最高裁判所の判例、下級裁判所の裁判例を引用することが多くあります。判例は先例として重視され、公平な法の適用を実現するために後の裁判所の判断に大きな影響を及ぼしているのです。そのため、日本の裁判所においても判例・裁判例情報が公開されていますし、判例を解釈した専門誌など多数存在しています。

この点、モンゴルの訴訟の実情は異なるようです。裁判官は、ほかの裁判所の判決を弁護士が引用することを非常に嫌うようです。これは、裁判官の独立という論点とからめて考えられているようですが、簡単にいえば、訴訟当事者(=その代理人である弁護士)が裁判官に圧力・影響をあたえることになるという考えです。
モンゴルでも日本と同様判例はインターネット、書籍、雑誌等で公開されています。しかし、それは裁判所の透明性の確保や、研究のためであるとのこと。もちろん、弁護士は訴訟戦略上判例を利用して主張を考えるし、裁判官は判例を調査して判決を書いているのですが、訴訟では引用しないほうがよい。学者の論文等を引用するのも同様に解されている現状です。
したがって、賢い弁護士は、判例の引用であると裁判官に思われないような形で、実際には判例のロジックを「引用」することになります。

是非はともかく、モンゴルで訴訟に巻き込まれた場合には、注意が必要なことだと思います。

年齢を意識する

 高校の同窓会の案内が届いた。卒業後30年以上経ってはじめての同窓会である。同級生は皆50歳を超えている。生憎、所用で参加できないのだが、いまだに14歳のときから考えていることはほとんどおんなじで年齢を意識することなどほとんどないぼくも、ああ、おじいさんになったのかとしみじみする...